本田先生の口臭に対する治療方針は、患者様への優しさと理解はもちろん、治療法のエビデンスがしっかりとしたもので、それは認知行動療法に基づいて行われます。

本田先生のセミナーを聞いた時から、とにかく現場に行って先生の実際の治療を見学したい、学びたいという一心で押しかけたのですが、本田先生をはじめ、イーブレスクリニックのスタッフの皆様が快く受け入れてくださったことに心から感謝いたします。

見学の日は始発の新幹線に飛び乗って新大阪へ、見学後は翌日の診療に間に合うようにサクッと日帰り、というなかなかにエキサイティングな道行きでしたので、お免状をいただけたときは感無量でした。

本田式口臭治療は前述のように、認知行動療法に基づいて行われます。まずは本当に口臭があるのか否かを精密な機械やドクター自身の鼻を使って調べる、また間違った生活習慣によって口臭が発生していることも多々あるため、患者様の生活様式を把握することも重要です。

内科疾患がないか、耳鼻科疾患がないかの検査もします。そうやって、口臭を引き起こすであろうあらゆるリスクファクターを机上に上げてから、口臭を表す数値を共に確認し、なぜ口臭があるのかを共にカウンセリングして考えながら、間違った生活習慣を正していく、という作業を行います。

さらには、今ある口臭を直ちになくす、「無臭化」を実現して患者様に安心していただきます。この無臭化には、二酸化塩素製剤とプロバイオティクス錠を用います。二酸化塩素は化学のわかる方ならアレっと思うと思いますが、実際には存在しえない不安定な物質なのですが、口腔内に満たすことで酸素を発生させ、発生した酸素が口の中の悪い菌の活性を抑えるため、口臭をなくすことができるという過程になっています。

また、プロバイオティクス錠は、健康なヒトの喉の菌からできている錠剤なのですが、これをなめて喉に移植し、自分の喉に健康な菌を増やして喉の菌の状態を整える、ということで口臭を抑えます。

本田先生のところにいらっしゃった患者様達は、最初は本当に不安気な様子で、悩みの深さにこちらの胸も痛むほどですが、本田先生のカウンセリングが終わった２時間後は、皆様一様に晴れやかな笑顔で、なんといいますか、これ以上医者冥利に尽きる診療は他にはないのではないかと本当に感動する学びでした。

当院でも、本田先生に教わった治療法を実践すべく鋭意準備中ですが、コロナ禍の折ですので、ベストな形にできるようただいま試行錯誤中です。

口臭症外来にはある程度のスペースも必要ですし、何よりまずは、口臭の数値を図る精密機械を準備しなければならず、つい先日、業者さんにデモに来ていただき、当院の勉強会にてスタッフみんなで学んだところです。